Blog

  • 2019/02/28
  • カスタマーサクセス

お客様が困ったときに、自社の名前やサービスが思い浮かぶと思いますか?

すでに取引のあるお客様、また以前に取引のあったお客様、新規で営業マンが伺って説明をしたり、展示会で名刺交換をしてお話しをしたり、一度接点を持ったお客様は、「自社のことを理解してくれている」と思いたくなるものです。しかし、本当にお客様は理解してくれているのでしょうか?

 

うちを知っている企業は1000社はくだらないだろう

 

A社は、創業間もないインターネット広告ベンチャーの会社です。サービス自体がまだ新しいので、「たくさんのお客さんに」「自社のサービスを知らせる」ことに力を入れており、社長を始めとする営業マンたちは、ちょっとした暇を見つけてはニーズがありそうな企業を訪問して回っていました。

そんな風にして1年がたち、既存のお客様の数も数十社になったので、そろそろ営業マンが訪問するだけでなく"戦略的なマーケティング"を行おうと自社のサービスを認知・理解してくれているお客様がどれくらいいるかをテレマーケティングで聞いてみることにしたのです。

「1年間みんなよくがんばった。みんなで集めたお客様の名刺は、1000枚以上はあるだろう。つまり、うちを知っていてくれる企業が1000社はあるということだ」…社長は、どんな結果が出るかを楽しみにしていました。

 

"うちを知っている企業"は80社しかなかった

 

手始めに過去に集めた名刺のデータを入力してリストを作成したのですが、実際に作業してみてびっくり。社長が「1000社はある」と思い込んでいた名刺が、実は350社しかなかったのです。

これだけでもショックだったのに、さらに追い打ちをかけるような結果が出ました。「以前当社の担当が伺ったかと思いますが、当社の業務内容をご理解いただけましたでしょうか?」という質問に、「理解している」と答えたのはたったの80社だったのです。「うちを知っている企業」は、1000社どころか、80社。自分の思い込みと現実とのギャップに、社長は愕然としてしまいました。

数をこなすことばかり考えて、「お客様の印象に残る」説明ができていなかったかもしれない。もっとわかりやすく、すぐに思い出してもらえる"簡単な言葉"で業務内容を説明した方が良かったかもしれない。1回会っただけで終わらせず、2回3回と足を運べばよかったのかもしれない…。社長の頭の中は反省点でいっぱいです。

一方A社は、広告サービスだけでなくマーケティングに特化したWEB制作サービスも新しいサービスとしてスタートしていました。これも半年くらい前から新しい案内を作り営業マンに積極に案内をさせていました。ある時すでに広告で取引のあるお客様に別件で訪問した時、「いや御社の広告サービスのおかげで流入はずいぶん増えたんだけど、現状のサイトがいまいちでね、再度作り直そうと思ったんだけど、以前発注した会社もいま一つだと思って、いろいろ探して、やっとよいWeb制作会社をみつけて発注したんだよね」と言われて愕然としました。

あっこのお客様はWeb制作で困ったときにうちのことを思いつかなかったのだなと社長は理解しました。

 

新しい事業をはじめて、新規のお客様に自社のサービスを認知理解していただくこと。

また新しいサービスを始めたときにそれを既存のお客様に認識していただくこと。

どちらも当たり前の事ですが、とても重要でかつ難しいことです。

 

新商品サービスの営業の場合、初回の接点で商談になりすぐに受注に向かうことはなかなかありません。

営業サイドは自分が営業した時にお客様が商談になってくれると、自分の営業の力で商談を作ったと思いがちですが、ほとんどの場合はそうではありません。

その時たまたまお客様に困ったことがあったのです。

もちろんそのタイミングに適切にフォローしていることは重要なことです。

でも一番よいのは、お客様が困った時に、自社やそのサービスを思い出していただいて、連絡をいただけることです。

 

その為には、お客様のどういう「困った!」を想定し、そしてどういうキーワードで自社や自社のサービスを想起してもらうのか?そのためにはどんなメッセージが有効なのか?ここを深めてアプローチしていくことがとても重要です。

 

お客様がどんな事で困ったときに自社を思い出してもらいたいのか?

そしてどんなキーワードで自社の商品サービスを認識してもらいたいのか?

 

ここを聞かれて明確に答えられない状態で設計されたアプローチでは、お客様の心の中にブランド資産を作ることができません。

 

ここで言うキーワードを考えるときに、一般的なビジネスワードである、例えば

「業務改善」とか「コストダウン」とか、「経営改革」とかも大切ですが、もう少し口語的なワードで想像してみる方がよい場合もあります。

人は心の中で困ったことをつぶやく時は、実際そうするからです!

 

「品質は一緒でいいんだけど、もうちょっと安いやつないかなあ」

「これ上司の要望答えるのには。納期だけまもってくれればとりあえずよいんだけどなあ」

「採用する時によいイメージになるようなのがいいなあ」

「伸びそうな会社と取引したいんだよね」

「人事異動に合わせてこれやらなきゃ」

「ともかく残業減らさなきゃだから、めんどくさいのはいやだな」等

 

あまり固い感じでなく、お客様の心の声を想像する事が重要です!

お客様の本当の困ったを想像して、よりよいアプローチをしてきたいものです。

記事を書いた人

萩原張広